テレビ自体あまり見ないのですが、必ず見ているのはNHK「こころ旅」。
火野正平さんが自転車にのって、視聴者の思い出の場所を訪れる、という番組。
観光地や名所旧跡を巡るわけでもなく、視聴者の思い出の場所という他の人にとっては知らずに通り過ぎてしまうような場所を訪れるのです。
なんで、そんな番組が良いと思うのかなぁ。
考えてみると、場所が半分、視聴者のかたの思い出半分が合わさったときに、その場所が特別な場所になるのかな。
この番組は、冒頭で火野正平さんが視聴者さんの思い出を語るお手紙を読みます。
見ている人はこのお手紙を読んで、その場所はどんなところなんだろう、と想像するのです。そして正平さんが自転車でその場所に向かい、その間に出会う人や風景を見ながらゴールである思い出の地がどんなところなのか楽しみになってきます。
そして、ゴールについて、その思い出の場所で再び冒頭と同じように手紙を読むのです。
冒頭で読んだ印象と、現地についてから読んだ印象はずいぶんと変わっていることに気付くこともあります。
ここにも一人の人間が何かを想い、何かを感じて、思い出の地となったんだなぁと思うとすごく感慨深くなるのです。
火野正平さんは、「○○さん、来たよ」「いいところに連れてきてもらった」などすごく寄り添う話し方をしてくれます。
手紙を読み終わった後も、すぐに終わるのではなく、数分その景色を映し続ける編集も素敵なのです。
僕もこのように手紙を読まれたいと思って3回ほど応募しましたが、いまだに採用されません。これに採用された人は幸せだなぁと思うのです。